フリードリヒ・フォン・メッツラーの思い出に 敬意を表 して

弊社グループの前当主であるフリードリヒ・フォン・メッツラーが、11月17日に81歳で永眠いたしました。ここに生前賜りましたご厚誼に深謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
フリードリヒ・フォン・メッツラーは、50年以上にわたり、誠実さと起業家精神をもってメッツラー銀行を主導し、その成功に大きく貢献しました。また、献身的な慈善家として、金融業界内外を問わず、ドイツ国内および海外で広く知られ、尊敬を集める人物でした。 そのたゆまぬ社会貢献と起業家としてのビジョンは、人々の心に永続的な印象を残しています。
1943年にドイツ・ドレスデンで生まれたフリードリヒ・フォン・メッツラーは、戦後に家族と共にフランクフルトに戻りました。1962年に高校を卒業後、海外の銀行での国際資本市場業務等に携わった後、1969年にメッツラー銀行に入社し、1971年には個人責任パートナーに就任しました。1970年代以降、ドイツの資本市場ビジネスも活気づくと、メッツラー銀行は彼のリーダーシップの下、伝統的な専門知識を応用し、市場とともに急速に成長することができました。
2018年には銀行の経営権をその子供たちに譲渡し、現在はフリードリヒ・フォン・メッツラーの子供であるエレナとフランツがそれぞれ株式の約40%を所有し、クリストフの息子であるレオンハルト・フォン・メッツラーが20%を所有しています。経営権譲渡後においてもフリードリヒ・フォン・メッツラーは引き続き銀行と密接な関係を維持しました。彼は精力的に顧客を訪問し、株式を資本投資の形として宣伝しました。退職後の生活設計における株式の利点を一般の人々に理解してもらうことは、彼にとって重要な課題でした。
故郷であるフランクフルト・アム・マインの社会貢献活動も、先祖代々受け継がれてきた伝統を喜びと責任をもって継続しました。1998年にはアルバート・アンド・バーバラ・フォン・メッツラー財団を設立し、子供や若者向けのプロジェクトに力を入れました。また、ゼンケンベルク財団やフランクフルト市民病院協会など多くの役職にも就き、社会貢献に尽力しました。彼のボランティア活動は、銀行の従業員にも影響を与え、それ以来、メッツラー家と銀行は、芸術、文化、科学、研究の分野で幅広い活動に等しく関与しています。
フリードリヒ・フォン・メッツラーは、社会貢献活動に対して数々の栄誉を受けています。ドイツ連邦功労勲章一等功労十字章の受章者であり、2004年にはフランクフルト・アム・マイン市の名誉市民にも選ばれました。彼の遺産や社会貢献の精神は、今後もメッツラー銀行の業務の中に末永く生き続けることでしょう。